Mazda LANTIS Coupe ( CBAEP)94.6
 TYPE-R AT LSD クラシックレッド


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3rd.GUARDEX & BRIDE WINTER DRIVING SCHOOL
 いや〜楽しかった。

 滑って、走って、回って、突っ込んで!?
 やっぱり雪上は楽しい!ガードレールやお巡りさんを気にしないで、思いっきり走れるのは、もっと楽しい!

GUARDEX & BRIDE WINTER DRIVING SCHOOLは、昨年は仕事のやり繰りがつかず欠席。一昨年は大雪のなか会場の赤城山までついたものの、延期(欠席)で、実は今回が初参加なのです。主催はautoazex Driving Clinic with Knight Sportsと同じ日下部保雄氏主宰のPROSPECです。

 この日は南岸低気圧が猛烈に発達しながら東進し、寒気の残っていた横浜(の内陸)でも降り始めは雪。20時ころから本降りになるとともに雨に変わり、予想通り積雪はなし。前日のFXFE5782から850hPa(約1500m)の気温を考えると、会場の女神湖も雨の可能性もあり、中央道も小淵沢より東京よりは積雪はないだろうと読んでいました。
 ところが、朝4時に家を出て、最寄り(距離的に:昼間は渋滞するので時間はかかる)の調布ICまで行くと、「八王子−伊北チェーン規制:〜笹子トンネル、渋滞35km」の文字。その時は、昼間よく利用する「東名−御殿場−河口湖−御坂トンネル−一宮御坂」コースで中央道に乗れば良かった!とも思いましたが、結果的にはそちらのほうがより厳しかったことでしょう。

 ここまで来てしまったので、取り敢えず中央道に乗ると、土砂降りの雨が続く中、相模湖付近からは完全に雪道となり、気温+1度〜0度(温度計は装着してあります)雪の上に大量の雨が降り注ぐという、最高に滑りやすくスラッシュ・ドラッグも大きい状態となりました。
 大月まではそれでも70km/h位で走れました。一度、追い越し車線でスラッシュが厚く(15cm)なっているところに突っ込んでスラッシュ・プレーニングに陥り、ふらついてしまいましたが、FF & ロングホイールベースのLANTISは、自然に安定を取り戻してくれ無事に通過。インターチェンジの合流で、融雪剤が効いて(効きすぎて?)他では固まっている土台の雪も解けてしまっていたようです。数箇所で、スピンしたり横に突っ込んでいるクルマを見かけました。実は、クロカン4WDってホイールベースが短く重心が高いせいか、スピンしやすいんですよね。
 大月あたりから、30km/hくらいの除雪車を先頭とする集団に捕まってしまい、スロー走行。除雪車がピットインした勝沼まで、この状態が続きました。随分遅くなりましたが、周りも含め事故も無く、安全に走れました。その後甲府盆地の中では殆ど積雪なし。韮崎辺りから再び積雪となりましたが、雨脚も衰えて、まともなスラッシュとなり、さらに長坂辺りからは、完全な圧雪となって、気温が高くあまりミューは高くないものの、そこそこの速度で走れる状態になりました。諏訪ICに着いたのは、集合時刻の8時近く。PROSPECの斎藤さんに電話して、少しでも除雪状態の良い大門街道−白樺湖経由で女神湖に着いたのは、40分遅れ。更に駐車場の入り口でスタックしてしまったクルマの救出をスタッフの皆さんと手伝い(この時点では視程=300m以下の大雪)、1時間遅れで合流しました。

 雪道はもう既にイヤというほど走れました。しかし、到着までにここまで苦労するとは・・・。
どうして、いつも道中の雪に悩まされるのでしょうか?
 
 受付を済ませ、座学講習を受けてタイム・スケジュールの30分遅れで湖上に向かいました。
 洗車後のクルマはスタッフの手によって、すでに湖上に運ばれていました。

 今回の参加者(車)は、雪上にしては珍しくランサー・インプレッサ・レガシーなどの超高性能4WD車はおらず、BMW、スープラ、S2000等のFRが異常に?多くなっています。

 この湖上でのトレーニングは、過去にMeWDL(女神湖ウインタードライビングレッスン)で2回ほど走った事がありますが、今回は、積雪が多く、圧雪状態の上に30cmほど新雪が積もっています。早朝までこの女神湖を管理している「蓼科地域計画株式会社」の方たちが鋭意除雪をされていたのですが、降り続く雪のため、コースも15cmほど新雪が積もってしまいました。
 ただ、降雪のほうはかなり弱まってきており、視程=1000mくらいまで回復してきて、走行には問題ありません。間違って除雪のされていないエリアに入って、スタックしてしまったクルマもいましたが、FORD EXPLORERで引っ張って脱出できていました。

 午前中は3グループ、午後は2グループに分かれ、各種目を1時間ずつ訓練します。そして、各グループごとに無線を使用して、リアルタイムに講師からのアドバイスが入ります。

 走行前に、氷上でのグリップ・アップのため、タイヤの空気圧を170kPaに落としました。
 私のAグループの最初の種目はブレーキング

 吉崎インストラクターの指導です。40km/hからのフル・ブレーキングで、1本目はとにかくフルブレーキ。2本目からは、コントロールブレーキで、いかに正確に止めるかの練習をしました。最初のグループでもあり、圧雪状態からスタートし、次第に雪が剥がれアイスバーンとなってきました。
 
 私は、ABSのままでは面白くないので、途中からABSのフューズを抜いて、ABS-OFFとしたのですが、ここでアクシデント発生。抜いたフューズをエンジンルーム内に落としてしまったのです。ちょうど、エアコン・コンデンサーのあるあたりで上からも下からもアクセスできず。取ることができないので仕方なくそのまま走りましたが、後で探すと見つからなかったので、どこかで雪の上に落としたのでしょう。ABSなしのほうが面白いのですが、オーバルでの速さではどうだったのでしょうか?比較はできなくなってしまいました。

 ABS付きでも、左右でミューの違うところでは、ABSが作動してもブレーキを緩めず、踏み続けたほうが短く停止できることも確認できました。あまり差が大きすぎると、ABSがあっても当然スピンするところですが、雪の残っている部分のミューが高いので回るところまでいきません。
 今回は、自作のG-meter(加速度計)を積んで走ったのですが、雪の上でABSが作動すると、0.25〜0.3Gで安定して止まります。それに比して、ABSなしでは、最初のGの立ち上がりでは0.35くらいまでいくのですが、すぐにロックするかまたはブレーキを緩めなくてはならないので0.2くらいまで減ってしまい持続できません。停止距離でもABSありのほうが短いようでした。(当然ドライバーのテクニックやコンディションによりますので一概にはいえません)
 アンケートにも書きましたが、もう少し−ロックしてる!とか、もっとしっかり踏め!とか−アドバイスがあればもっと楽しかったと思います。

 これからも今までどおり、多少滑っても、楽しんで走るにはABS-OFF、たくさん乗っていたりして安全性重視の時には、ABS-ONで走りたいと思います。
 2番目のセクションは、オーバル・ハンドリング

 日下部保雄インストラクターの指導です。1周150mほどでしょうか。筑波のホリー・スピードウェイよりやや小さいオーバルです。コーナーのRは同じくらいで、コース幅がやや狭く、直線が短い感じです。当然氷ですからバンクはありません。
 こちらはコース上の除雪をした雪が周りに積まれているのですが、その重みで氷の一部が沈んでしまい、コースの一部が浸水してきていました。左廻りだとバックストレート前半と3〜4コーナー付近、特にバックストレートは水深が5cmくらいあります。それでも、走行に支障はなし、ということでスタート。

 日下部インストラクターは4コーナー内側に立って無線でアドバイスを与えてくれます。
 2台ずつ対角線でコースインし、アドバイスに従って周回を重ねます。アドバイスのある3〜4コーナーはアウト側から浸水してきており、濡れている部分は表面の雪が溶けて相当滑りやすくなっています。そのため走れるラインはかなり狭くて3mほど。インベタで乗り切れれば良いのですが、ちょっとでもアウトに膨らむとそのままアンダーを出して、外側の雪山に直行(一度突っ込みました)です。
 逆に1〜2コーナーでは、バックストレートの水溜まりにはまるとスピードが落ちるので、出口で膨らみ過ぎないように気を付けましたが、μも高く、イロイロなラインが取れたので、イロイロなコーナリングを試せました。それでも同じRのコーナーなのにスピードが違いすぎて、なかなか限界がつかめなかったのも事実です。

 FFでロング・ホイールベースのうえ、更にフロント・オーバーハングに重いV6エンジンを積んだLANTISは、どうやってもアンダーステアが出ます。最初はこのアンダーの処理を中心にトレーニングでした。
 日下部インストラクターは、タイヤがサイドスリップし始めたら「タイヤの滑り角を変えてやる」ことが大切だと言っていました。
 フツーの人は、アンダーが出てフロントが逃げたら、更にステアリングを切り足すでしょう。キャスターも効いてくるので、これももちろん一つの手ですが、既に限界に近い走りであれば、状況を更に悪化させることも多いのです。私はどちらかというと、ステアリング一定のまま、スラストを変えてみる(スロットルが閉じていればちょっと開ける/開いていれば閉じてみる)事をまずやってみて、駄目ならサイドブレーキを引いてリアを出すようにしていました。
 ここで日下部インストラクターに指導を受けたのは、まず切り足してみて駄目なら、ステアリングを戻してみること。これには結構勇気がいりますが、大抵はフロントタイヤは「切りすぎた」状態にあるのです。ステアリングを戻すことにより、フロントタイヤは、適切な横滑り角となってグリップを取り戻すのです。このあたりはみっちりと練習できました。

 このオーバルは、右周りでも走行しました。今度は1〜2コーナーが水没(狭い)コーナーですが、出口側はアウト側もグリップが良いので、少しだけラインの自由度があり、多少無理が効きます。そのため、今度はアグレッシブな走りを心がけ、ブレーキを遅らせてクルマの向きを変えるような走行をしました。さっきのまんまABS OFFです。おもしろかったけれど、結局、最後までドリフトを維持したまま(FFですけど)コーナーを抜けるところまでは行けず、途中からグリップしてしまったり、お尻を出し過ぎてハーフスピン状態から蛇行したりで、なかなかうまくいきませんでした。

 午前中最後の課目は、8の字ハンドリング。

 8の字旋回コースで、橋澤インストラクターが同乗で指導して下さいました。当然一度に一台しか指導(走行)できないので、一人ひとりの走行時間はそう長くは取れませんでしたが、これも直接隣から指導を受けられるので、非常に有意義でした。

 部分的にミューも違い、一定のペースで走ることはできませんが、加速・減速よりもクルマを曲げるためのスロットルのコントロールが必要になります。最初はステアリングを必要以上にこじっていましたが、ステアリングを持ち替えるほどの操作は逆効果で、何にもならないことも良くわかりました。
 基本的には、アンダーとの格闘なのですが、慣れてくると、微妙なスロットルはもちろんのこと、切り返し部分でのトラクションをかけた加速のタイミングや、チョイがけブレーキングによる振り返しなども体験できました。(身に付けるところまでいけなかったけれど・・・)

 橋澤インストラクターは、今年もスーパー耐久でADVAN JAS GT-Rに乗るそうです。同じカラーリングのクルマ・ヒコーキに乗るPilot同士、意気投合して、楽しく走れました。
 昼食後の午後の最初の種目はスキルアップ・トレーニング。

 要するに「ウサギとカメ」です。
 昼食の後、午後はオーバルコースは氷の割れ目からの浸水が激しくなってきたため、使用中止となり、パドックとして使用していた広場にパイロンを立てて仮設オーバルとし、ここで模擬レースを行いました。
 オーバルのメインンストレートとバックストレートの両方にスタートラインを引き、2台がコースインしてヨーイ・ドン!の合図で同時にスタートし、5周走行後、先にゴールした人が勝ちというゲームです。
 第1回戦は、カローラ4WDとの対戦です。こんなツルツルのところで、4WD相手では最初から勝ち目はないのですが、途中までは互角に戦えました。こちらは最初から全開モード。カローラは最初慎重に走り始めていた模様で、一時はリードしていたのですが、カローラも慣れてきてペースが上がってくると、だんだん差は縮まってきます。少しでもペースアップを図ろうと、ついスロットルを開くタイミングが早くなってしまい、4周目に痛恨の大アンダー。ノーズの向きが変わらないまま、大きくアウトに膨らんで、大きく遅れてしまいました。
 残り1周ではリカバリーは効かず、1回戦敗退。カローラワゴンは順調に勝ち進み、8台のグループの決勝に進み、エスティマ4WDと死闘の末、敗れてしまいました。こちらのグループには4WDは、この2台だけだったのですが。あの重くてステアリングもぐるぐる回さなくてはならないエスティマをこれだけ早く走らせるドライバーには脱帽です。因みにタイヤはYHではなく、私と同じくBSの旧型 BLIZZAK MZ-02 を履いていました。

 私のほうは ENGINE取材クルーのBMW 318i(FR)ともう一度対戦があり、余裕で追い付きそうになったので、少し遊んでやろうと、サイドブレーキも使って「大ドリフト」で遊んでいたのですが、カウンターが遅れて内側に巻き込み、インサイドのパイロンを吹っ飛ばして雪山に頭を突っ込んでしまいました。すぐに自力でバックで出られたのですが、コースアウト=リタイヤと判断されてしまいました。
 半分冗談・半分本気でやったので、結構皆さんに喜んでもらえたのですが、ENGINE4月号には、1ページしか載らず、このバトル?の模様も全く載りませんでした。

 午前のオーバル・ハンドリングコースは、見るからにミューの違いがあって分かりやすかったのですが、こちらのコースは、無理にインを狙うよりも、ある程度アウト寄りのラインのほうが踏み固められていない分、ミューは高かった模様です。また1〜2コーナーでは、出口付近はデコボコがあり、そこそこ(時々)グリップするものの、ターン・インからクリッピングにかけてのミューが低かっようです。どうしてもアンダーが出る、向きを変えてコーナーに入ってもそのままアウトに突き進んでしまう傾向でした。
 午後の2種目目は外周路走行トレーニングです。

 そして、最後の種目、総合滑降?です。橋澤インストラクターと日下部インストラクターが交互に同乗して外周路を走ります。最初はおっかなびっくりで走り始めましたが、まだそんなに踏み固められていない外周路は予想以上にグリップし、今までのコースとの違いについていけません。スラローム区間では、スロットルを積極的に使用した方向変換と向きが変わってからのトラクションを如何にかけるか?が課題です。最高速は40km/hくらいはいっているでしょう。なかなか目がついていけずに、最後まで、限界に近いスピードを得ることはできませんでした。
 外周路から最後にインフィールドに入って先程の8の字ハンドリングコースに出るのですが、ここではさっき以上に雪が剥げて氷が露出し、滑りやすい状態になっているため、ほとんど10km/hくらいの速度域でのコントロールになり、外周路での高速に慣れた目では、止まるくらいの感じでコントロールしないと、あっさり突き刺さってしまいます。(結構、みんなやっていました)
 最後に、お楽しみの、オーバルの決勝です。走行を終えた全員で見守ります。もうひとつのグループで勝ち残ったのは、やはりアウディTTクワトロ(BSのBLIZZAK MZ-03)でした。私のいたグループで勝ち残ったエスティマ4WDとの決戦ですが、エスティマも健闘しましたが、やはり、車重と駆動方式の違いで、勝ち目はありませんでした。

 参加料はかなり高いと思いました。しかしながら、日下部インストラクター・橋澤インストラクターといった一流のドライバーから直接指導を受けられて、そのうえこれだけ走れたのですから、相応な値段だとも思います。過去の「女神湖ウインター・ドライビング・レッスン」も、ここまでは走れず、ちょっと欲求不満が募りましたし。
 たった一日だけでしたが、単に楽しいだけでなく、優れたインストラクターの指導のもと、さまざまなドライビング・テクニックを試し、身に付けることができました。今日の経験は、これからのサーキット走行に/アメリカン・ダートでの走行に/オンロードでの安全運転に必ずや役立つことでしょう。

 日下部インストラクター、橋澤インストラクター、吉崎インストラクター、PROSPECの皆様、蓼科地域計画株式会社の皆様、本当にありがとうございました。
 
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