Mazda RX-7 (FD3S)99.5
 TYPE-RS イノセントブルーMc

00.11.07 autoazex Driving Clinic with KNIGHT-SPORTS報告

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 FD-2号、コースアウトして、フロント一部破損させてしまいました。被った泥の割りにダメージが少なく、フロント・スポイラーとブレーキ・エアダクトの交換と少々修理だけで済んだと思ったのですが・・・。
 帰り道、サーキットを出て10分位の所で、いきなりエンスト。プラグを抜いて調べてみればガソリンが来ていない!フューエル・ポンプが停まっている。
 仕方なくJAFを呼び、レッカー移動してもらいました。
 サーキットでの事故はこれが初めて。路上でJAFを呼んだのも初めて(FC-1号でエンジンがかからなくなってしまい、プラグを持ってきてもらったことはありましたが)。自分のミスでクルマを壊したのもFC-1号以来十数年振りで、もう大変なショックです。

OHLINS PCV装着。少し(約2cm)車高が下がりました。今回はこのメーカー推奨車高で走行。
フロント・スポイラ−に塗装したのが分かりますか(色合わせ不充分)?
でも、1回で壊してしまいました。塗料の乾きの良くなる春になったらまた塗ろう!
RON DAVISアルミラジエター(3循環式)は、前からも、ボンネットを開けても見えません。
この気温では、水温も85度Cを超えませんでした。クーリングの必要ナシと思ったら、
今度は、タイヤ(純正品POTENZA S-07がまだ持っていた)のタレが・・・・・・・・・・。

  

今回走った茂原ツインサーキット 那須以上に攻めどころの掴み難いサーキットでした。
5回走れば、もう少し分かったと思いますが。
3速で飛び込み、すぐまたブレ−キングの1〜2コーナー。1でアウトに出過ぎると2がキツくなる。
2〜3コーナー間も最初はパーシャルだったけど、一瞬全開にできます。
4コーナーはインの縁石が高いので、乗っても大丈夫だが姿勢が崩れやすい。ここでスピードが
乗らないと5コーナーまで伸びない。
5コーナーは進入で姿勢を作っておき、早めのアクセル・オンでアウトいっぱいから立ち上がる。
私の飛び出した6〜7コーナー。2速でもFDならば行けますが3速のほうが安定して走りやすい?
結構な登り坂です。
8コーナーは幅があるので、奥まで突っ込み過ぎないほうが無難でしょう。
9コーナーはS字の2コ目がキツイので、1コ目で減速し過ぎないで、ブレーキを踏める余地を
残しておくこと。
スポンジバリアは薄く、外側はガードレールorコンクリート・ウォールの10(最終)コーナー
途中からRがキツくなる。ブレーキポイントが最後までわからなかった。
クリッピングに確実に付けるよう(付けないと出口で踏めない)、アンダーを出さないこと。
また、コースのボトムなので、最後まで乾きません。

 全開やフル・ブレ−キングの殆どできない、非常にテクニカルなサーキット。休めるところが
1箇所もありません。リズムに乗れると相当早く走れそうです。エンジンのパワーよりも脚回りの
セッティングとドライバーの差でタイムが大幅に変わりそうです。Sタイヤ絶対有利。
 基本的には、ココや日光のようなテクニカルなサーキットはミズスマシのように走れて好き
なのですが・・・。「今日は乗れてる!」と思ったところに落とし穴がありました。



 今回は、マフラー・ラジエター・脚回りを更新して臨み、気合が入っていましたが、5回の走行のうち3回しか走ることができず、そのうえ、年数回とはいえサーキット走行12年で、初めてクルマを壊したことで、精神的なダメージが大です。標準タイヤは暖まったと思ったら2週目にはもうタレてきていましたが、換える資金も修理にまわってしまいました。

 この日は初めての茂原サーキット、ましてやまるっきり行った事のないエリア(房総方面)で、都内を抜けていくことも考えましたが、渋滞を考慮してアクアライン廻りで向かいました。今年はこれでもかと。さらに、普段は渋滞しない第3京浜に乗るまでの一般道と横羽線山下町付近で渋滞に遭ってしまい、海ほたるSAまで1時間半。充分受付には間に合いましたが、幸先の悪いスタートです。
 昼頃には雨も完全に上がり、日射はないのでコース上は湿っているものの走行開始。

1本目走行
 1本目は、ウェットなので街乗り用?F/Rとも7段(戻し)で走り始めました。走り出した時は、ほぼ全面湿っていたものの、数週するうちにレコードラインから乾き始め、終了間際には、最終コーナーの一部を残してほぼドライとなりました。この最終コーナーは、クリッピングの直前がコースを横切って川が流れたように(おそらくここがこのサーキットの最低標高)WETになっていて、ココでスロットルを抜いているとオーバーステアで巻き込んでしまうし、逆に踏んでいるとアンダーステアでピットロードのコンクリートウォールに向かって行ってしまうし、WETではココが最難関となるでしょう。
 WETに対する安全策で7段で出たものの、やはりロールの絶対値も大きいし(ノーマルより少しマシ)、ロールスピードも早過ぎ(これはノーマル以上)。S字ではリズムに乗れません。そして、とにかくターン・インでも立ち上がりでもケツが出まくる。峠ならこれも楽しく走れそうですが、殆ど踏み込めるところがない!おかげで水温は、80度Cに張り付いたままです。
 後半、乾いてきてタイムが伸びてきましたが、56'25の4番手(N1車両を除く)

2本目走行
 2本目は、前後とも3段で行きました。今回はほぼ全面DRY。かなり操縦性は改善されて、自由自在に振り回せるようになりました。前回一番速かったIさんに続いてコースインしたので、ライン取りやブレーキ、シフトタイミング等コピーさせてもらいました。ついて行けたのも2周目まで。(この周がベストラップでした)Iさんは当然Sタイヤ。こちらはクルマを買った時からの標準品、3分山(これで最後にするつもりだった)のS-07。タレて来ているのは判っていましたが、ここまで早く・・・。今までは水温が先に来ていたのであまり気にしていなかった(今回はラジエターを換えているので水温には余裕があった)のです。それに、多少タイヤがタレようと、「オレの最速理論に揺るぎはない」という気持ちがあったのも確かです。
 結局、ミスが重なってどんどん遅れ始め、周回遅れにひっかかたりしているうちにIさんに置いていかれました。
 この時にベストラップ(55'36:やはり4番目)が2周目だったこと、エンジン・水温にはまだまだ余裕があった事等を総合して考えれば、タイヤが自分の予想より遥かにタレていた事も理解できていたはずなのですが・・。

FD-763 TYPE-2 なかなか輝いています。外見ちょっと地味ですが。
音は控えめ。MAZDA SPEED よりやや大きく、FCのFujitsubo REGALIS-Rと同程度。
本当に絞り無しのストレート構造。隔壁構造と違い、ほとんどコモリ音がなく、
回転数とブースト圧に比例して音量が増します。(アクセル踏まなきゃ静かなまま)
乗っていてホレボレする音です。
レスポンス・ブーストのかかりも文句なし!ノーマルではセカンダリータービンで
充分なブーストがかかりませんでしたが、換えてから非常に安定してかかっています。
欠点は、設計上左に寄っていて、遮熱板に当たること。Knight Sportsでは問題無い
と言っていますが、気になるのでステ−を改造しようと思っています。


3本目走行
 この走行の前に、日下部さんの元チーフメカニックの方のお話がきけました。サスペンションは、イロイロいじってみてクルマの変化を納得いくまで体験(体感)してみる事、走行前にはWETでの注意事項を聞いていたのですが、今回はDRYでのセッティングの要領についてお話がありました。Sタイヤのみならず、ノーマル・タイヤやジムカーナ用ブレーキ・パッドの使いかたや注意事項等もあったのですが、今までの経験からノーマルでも5周はいけると思ってました。
 最初は、「曲げやすい」事を主眼に、「何事も実験が大切」と、リヤを固めてF:3/R:1段で走行開始。とにかくリヤがハネます。コーナーはターン・インでもアウトでもオーバーで面白いことは確かですが、やはりパワーがかけられない。正直、スプリングが同じなのにショックの減衰力だけで、こんなに変わるとは思ってもいませんでした。
 けれども、タイムは望めそうもないので、途中4周でピット・イン、次は逆にリヤを固めてF:1段/R:3段にしてみました。

 今度は、一言で言うと「パワー・オンでド・アンダー」(どこかで聞いたことがあるって?)。ターン・インでの挙動はマイルドにこそなったものの、ブレーキングでノーズがしっかりインに入ってきてくれる。立ち上がりでは両輪が踏ん張って荷重がかかり、パワーを受け止め真っすぐに押し出してくれるような(性能の良いデフを入れたような)感じです。少しハネ気味ではありますが、サーキットでは問題なし。出口で早目からパワーをかけられます(水温は85度C)。このセッティングは、なかなか気に入りました。
 ところが、このセッティングが予想以上にタレたタイヤにとっては、両刃の剣だったのです。後からVTRで見ると、さっきより修正舵が大きいのです。

 この3本目のラップ表を後から見ると、ベストラップはピットイン後2周目の54'33。その後は、タイヤのタレに比例して(ドライバーの意志に反比例して)ラップは遅くなっています。そこまでタレている事に気付かずに、さらにスロットルを開けるのを早くしていきました。

 ピットアウトから4周目、同じブルーのFD5型の人を抜いて、逃げにかかっていたところ、5コーナーで立ち上がりにパワーをかけすぎ、テールスライドからラインが内側に巻き込んでしまい、6コーナーがイン側からの進入で苦しくなってしないました。6コーナー(S字の1つ目)はパワーオフで曲がり切ったものの、次のコーナーのアウトに振るつもりが大きく回り込みすぎ(7コーナーのアウト側にノーズが向いている)ました。
 2つ目の7コーナーはパワースライドで向きを変えてやるつもりで、切り返しにドカンとスロットルを開けました。さっき、リヤが出にくいようセッティングを変えていたのを忘れていたのではないのですが・・・。
 タレてズルズルのフロントタイヤは荷重が急に抜けたため、殆どグリップせず、アウトの土手にまっしぐら。もう、スロットルをを戻してもブレーキを踏んでも無駄でした。狭いせまい、まだたっぷりと水分を含んだグリーンは一瞬で通り過ぎ、土手(30度位の傾斜でしょうか)に乗りあげてしまいました。(登ったと言ったほうが正しいかも)クルマへの衝撃も、もちろんありましたが、サーキットでの事故はこれが初めて。自分のミスでクルマを壊したのもFC-1号以来十数年振りで本当にショックでした。

 コンクリート・ウォールでなかったのと土手で横転しなかったのが不幸中の幸。自走で(だいぶ泥を撒いたようですゴメンナサイ)ピットまで戻ることができました。降りてクルマを見るまで、「ゴメン!セブンちゃん!オレが悪かった!許してくれ!」と心の中で叫び、「どうか、フレームまでイっていませんように!」と祈っていました。

 ピットに戻り、泥まみれではありましたが、前輪も真っ直ぐだったのでとりあえず安心。フロントスポイラーで土手を削ったような形で、フロントスポイラー右半分、右ブレーキダクト・右インナーフェンダーは完全に落ちて無くなり、左ブレーキダクトも割れ、フロントノーズ(バンパー)も押されたようで右フェンダーも変形。オイルクーラーがステーから外れていました。
 まあ、オイルクーラーとラジエターに損傷が無かったのはラッキー。フレームもまではイっていないようです(サーキットの帰り道でもちゃんと真っすぐ走ってくれました)。詳しくはアライメントを測ってからでないと判りませんが。
 相手が土の土手で本当に助かりました。あの速度・方向でコンクリート・ウォールだったら、当然全損で身体にもダメージがあったかもしれません。
 タイヤのコンディションを見てみると、いつもは融けたタイヤかすが消しゴムの屑のようにくっ付いているのに、今回は全くないのです。温度が上がり過ぎて、柔らかくなり過ぎて取れたものなのか、スライドが多過ぎて削り取れるのか、はたまた、ゴムが硬化してしまったためかわかりませんでしたが、エアを測ると、いつもよりも上昇が激しかったので、ツルツルタイヤの温度が異常に上がっていたことだけは確かです。やはりSタイヤにしておくべきでした。

 このクルマは(今までも皆そうですが)絶対にぶつけないつもりだったのですが・・・。ALC・アメリカン・ダート走行セミナーでは他人にぶつけられはしましたが、自分では一切ぶつけなかったのに・・・。ドリフト・コントロールできる自信がつき、逆にクルマをラフに扱ってしまったでしょうか。そういえばFD-1号で、最初はスピンしまくっていたものが、どんな態勢からでも立て直せる自信がついた頃、走るのが怖くなった時期がありました。それもFD-1号を手放した理由でもあったのです。
 自信過剰に陥りそうだった私への警告と受け止めて、充分に自戒することとします。
 修理費の都合もありますが、当分サーキットも峠も全部中止!春まで、FD-2号は少し長い冬眠に入ります。

最後に、フューエルポンプ故障の件。JAFに牽引してもらったのですが、これがフロントスポイラーを外してあったのと、作業を行ってくれた人が慣れていてイロイロ手を尽くしてくれたのでなんとかギリギリで持ち上げることができました。車高を下げていなくても、FDではフロントスポイラーを外さないと牽引は不可能なことがわかりました。(そうしたらどうやって修理するのだろうか?)
 フロントを持ち上げるとマフラーが擦りそうでしたが、ゆっくり走ってもらってこちらも大丈夫でした。

 茂原市内の修理工場:ワールド・インターナショナルに運ばれ点検してもらったところ、予想通りフューエルポンプの故障でした。もしかして、コースアウトの際に下廻りにもダメージがあったのか?と心配しましたが、その線ではなかったようです。ただ、パーツ入手に日にちがかかるため預けることになりました。代車も借りられて、当日中に横浜に戻ることができました。電車だったらその日のうちには帰れなかったかもしれません。
 ついでに、修理が終わった日には、休日出勤で2泊3日の仕事まで入って、取りに行くのが3日も遅れてしまい、そのうえバン金修理に出した工場でもパーツが揃わず、3週間に渡りFD-2号には乗れなくなってしまいました。
 まさに踏んだり蹴ったりの最悪の11月でした。


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